という方に向けて書きます。
私は調剤薬局事務をしていたときに、処方箋枚数が多くて忙しく従業員の数も少なく焦ってしまい何度か処方箋の入力ミスをしました。
そのたびに事務の入力ミスが原因で起きた過誤に対して自分を責めて、入力ミスに対する責任について考えました。
この内容は動画でもご視聴いただけます!
同じように悩む方の少しでも気持ちを和らげることができたら幸いです。
最終責任は投薬した薬剤師
たとえ事務の入力ミスにより起きたことが元々の原因であっても、最終的に責任があるのは投薬した薬剤師です。
このことを調剤薬局事務の方は忘れないでほしいです。
「それでも自分がミスしなければ起きなかった過誤だ」と思われるかもしれません。
しかしそれでもミスに気づけなかった薬剤師の責任です。
だから気にしなくていい訳ではありませんが、
そこまで気にしすぎない方が精神的に良いです。
仕組み、環境が悪いことも原因の1つ
調剤薬局事務が入力ミスを起こしてしまうのは確認不足だけが理由ではありません。
入力ミスが起きるそもそもの要因として上記のような環境で焦って入力してしまうことも考えられます。
また事務が複数人でダブルチェックをするというルールがない、
薬剤師が確認する事項が少なく設定されているなどの企業の決まりあることも
入力ミスに気づけない原因でもあります。
今あるルールを忠実に守ることも大事ですが、
この仕組み、環境では働きづらいということを訴えることも重要です。
「他の店舗も同じように事務は少ないし」「現場が大変なことは本部も分かっているだろうし」と思っていても、
伝えていなければ「今の状態でもなんとか成り立っている」と思わられる可能性があります。
いきなり声を上げることは難しいと思うので信頼できる薬剤師さんや事務の中でも経歴の長い方に相談してみるのが良いです。
「今の忙しい環境では常に焦ってしまう」
「この仕組みだといつ入力ミスが起きてもおかしくない」
少しでも相談しておくことで職場環境を改善できるきっかけになったり、
これ以上負担をかけてほしくないという意思表示にもなります。
採用した人の責任という考えもできる
どうしても「入力ミスをしてしまって自分が許せない」というときは、
心の中限定で人のせいにしてしまうのも自分を守る1つの策です。
「そもそもこんな入力ミスをして迷惑をかけてしまうような自分を採用したあの人が悪いんだ」と思うと少し気持ちが軽くなります。
面接官をした人、採用を決めた人、配属を決めた人、事務の人数配分を決めた人、入力を任せようと決めた人
今あなたがその薬局に勤めているのはその人達のせいだから、入力ミスが起きてしまった原因を作ったその人達のせいでもある。
口には決して出さず、心の中でそのように思っていると少し楽になります。
また、自分のミスを例えば自分の先輩、後輩事務がしていたとしたら、その事務員さんはどのように思うのかと考えると、
意外とケロッとして気にしていなかったり、少し落ち込んでその後はすぐ元通りになっていたりして意外とあなたほど悩んでないのではないかなと思います。
他の人が入力ミスをしても優しく接しようと思えるかもしれません。
それに気づく良い経験になったと思い気持ちをおさめるのも良いです。
医療過誤の責任を薬局事務の給料で負う必要はない
入力ミスが原因で薬剤師さんが見落として医療過誤が起きても私は薬局事務の安い給料でその責任を負う必要はないと思います。
薬剤師の中には自分を守るために入力ミスが原因と言ってくる人もいるかもしれません。
しかし入力ミスを見落としたその人のミスでもあります。
医師が書いた処方箋が間違っていたとしてそれに気づかず投薬してしまい、
後から間違いに気づいても「医師のせいだ!」と強くは言えないと思います。
間違いに気づけなかった薬剤師の責任です。
事務の立場が低いから強く「あなたの責任だ」と言われることもあるかもしれませんが、
薬剤師はそれによって自分を守っているだけなのです。
「それで気持ちがおさまるならどうぞ」くらいの気持ちでいると良いと思います。
今回入力ミスを見落としてしまった薬剤師さんもこれが初めてのミスではなく、
これまでにミスは何回もしているでしょう。
なのでミスを一回もしないというのが無理だと思います。
薬局で医療過誤が起きたのならそれは重く受け止めるべきだと思います。
しかしその責任を調剤薬局事務の安い給料で負う必要はないと考えています。
あくまで薬剤師の補佐をするのが事務の役割なので、責任も補佐するような形で重く思いつめないでいいと思います。
責任を負うのは役職を持っている人の仕事です。
少しでも薬局事務の方が入力ミスの怖さをや和らげられれば幸いです。